Dai Hirata
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無課金になった途端、Alexaがポンコツになった話
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無課金になった途端、Alexaがポンコツになった話

文章はPodcastよりいろいろ書いてます。お金を払わなくなったら、Alexaがポンコツになった。最近、Amazonプライムを解約した。Amazonの配送の品質がひどいし、それほど使うわけでもない。そもそもある程度の金額を買うと送料無料になる。ビデオもそこまで観ないし。で、解約してスッキリ……と思っていたら、家で使っているAmazonEchoのAI、Alexaがおバカになってしまった。

(文章はPodcastよりいろいろ書いてます)
お金を払わなくなったら、Alexaがポンコツになった。最近、Amazonプライムを解約した。Amazonの配送の品質がひどいし、それほど使うわけでもない。そもそもある程度の金額を買うと送料無料になる。ビデオもそこまで観ないし。

で、解約してスッキリ……と思っていたら、家で使っているAmazonEchoのAI、Alexaがおバカになってしまった。

これまで子どもを寝かしつけるのに「ディズニーオルゴールかけて」と言ったら特定のアルバムを流してくれていたのに、毎回違うのを出してきたりする。しかも急にアップテンポな曲になるアルバムを選んだりして。Appleミュージックをメインの音楽アプリに指定しているのに、ときにAmazonミュージックやSpotifyをかける(広告が入ってしまう)。
隙あらばAmazon Music unlimitedの宣伝をしてくれる。
Alexaとはそこそこのつきあいなのだ。かれこれ7年近い。最初は「おはよう」「おやすみ」なんて話しかけていた。天気を聞いたり、タイマーの設定を手伝ってくれたり。子どもにピカチュウや恐竜の声で話しかけてくれたり、はみがきの手伝いもしてくれたね。もうでも終わりなんだ。君がいないとさみしいけど、何とか頑張るよ……とでも言いたくなるぐらい、最近のAlexaはひどい。

お金を払わなくなったらこれか。金の切れ目が縁の切れ目なのか。どういうこったい。


オープンAIにしても営利に傾いてはいるけど

何かとお騒がせの実業家、イーロン・マスクがchatGPTの開発元オープンAIを買収しようとしている……というニュースがあった。もともとマスクは2015年のオープンAIの設立メンバーだが、最近のオープンAIが営利志向なのでその方向を正すため……みたいなことを言っていたが目的は他にあるはずだ(Twitterを買収して自分とトランプ優位の情勢をつくったように)。ちなみに現オープンAIのCEOサム・アルトマンは提案を蹴った。

AIが回答として広告を出してくる、特定の思想に偏った答えを出す、という未来は容易に想像しうる。開発元が営利企業であれば、当然の帰結かもしれない。Twitter(現X)にしても、YouTubeにしても、公営放送ですらデフォルトで番組に利用するのに驚くが、プラットフォームはインフラではない。恣意性をもった存在が管理している。いかようにもプロパガンダに使える。突然サービス終了、サービス改悪もありえる。
というのは分かった上で使わないといけない。


AIを仕事で使うこともあるけど

仕事柄、AIを使うこともある。chatGPT、Gemini、Claudeについては有料で割と使ってきた。が、結果としてはあまり使わないようにしている。一定のパターンのテキストをスプレッドシートにするとか、コードを生成してもらうとかは便利なんだけど、書きものや編集には使えない。

自分の目的やメインの目的をすり込むマザープロンプトを教え込んだ上でプロンプト(命令文)を送り込めばそれなりのWeb記事を作成するのは簡単だ。

テクニカル以外のコンテンツSEOの仕事やWeb制作には相当使えると思う。現時点では文章生成は冗長な傾向はあるけど、調整できる。

ただ、結局のところ自分でやらないと生きている感じがない。それが大事なのだ。


自分でやらないと生きている実感は得られない

いまつくっている本『木ひっこぬいてたら、家もらった。』でも同じような結論めいたものになるが、結局自分でやること(DIY)でないと、生きている実感が得られない。自分のやったことで反響がないと。AIを業務で使えば使うほど、ブルシットジョブ(クソみたいな仕事)は拡大していくだろう。
自分でやった仕事に対して反応があるから、楽しいしやりがいめいたものも得られるのである。それを代替したところに、実感はない。

『木ひっこぬいてたら、家もらった。』事前購入&カンパ


実際、AIをフルで使った仕事もいくつか試したことがある。結果としては「二度とやらない」と思った。上のような理由からだ。

東浩紀さんの『弱いつながり 検索ワードを探す旅』は、SNSなどで特定の興味でつながるネットのほうが強いつながりで、リアルの人間関係のほうが偶然性(誤配)もあり「弱いつながり」だとした。
「AI 使い方」で望んだ答えが得られる検索エンジン(ほぼGoogle)には誤配がない。求められない。
一方で、リアルにはありまくりである。書店にしても、町中にしても、自然にしても。つながる以前の存在がある。そこで検索ワードたりうる、自分の疑問やテーマを探せと東さんは訴えた。

今でいうと検索ワードは「プロンプト」かもしれない。
確かにAIを上手く使うのに描写力や自分の意図の把握はすごく大事だが、そこまでしてプロンプトをつくるべきか?とも思う。

何度も引用する「好奇心を人まかせにしない」(西田善太)を出すまでもなく、自分の人生や生活で持つべきテーマや、一生取り組みたい課題を誰かに外注なんかできない。ましてやAIなんかに。

僕がDIY BOOKSで広めたいZINEづくりというのは、まさにこの流れにある。いわば自由研究だ。自分のテーマを探す。その過程で自分や他者、社会や世界を知る。これは代替しようがない。



ポンコツAIと適当に生きていく

目的がお金、利益になっている以上、Alexaが無課金者に対してポンコツになるのは仕方がないのかもしれない。いや、Amazon Echo買ってるし今までプライム料金払ってきたんだからちゃんとしてよ。昔の家電やゲーム機だってそうじゃん。とか思うけど、どうしようもない。

冒頭の問題については、ポンコツAlexaに「定型アクション」機能で「このフレーズをこっちが話したら、特定のプレイリストをApple Musicでかけてね」と設定して解決した。実行すると「●●を再生します」ともいわず、無言で音楽を流す機械に変貌した。
結局こっちでプログラミング(ノーコードだけど)するんだったら、AIって何なのさ。そもそも今みんなAIって言うけど、東大の松尾豊さんも言っているが、厳密には人工知能ではない。あくまでアルゴリズムで、こちらが指定したとおりに動いている。学習はしているけど。

しかしまあ、無課金ユーザーに冷たいソシャゲ運用みたいというか、お金を払うお客さんには優しくしてくれる店員さんみたいというか……そんなAIって人類が望んだ未来なんですかね。

と、Alexaにお世話にはなりつつも、適当な距離でつき合おうと思った次第である。



今後、火曜と木曜に配信をしていきます。続けば!
火曜は有料購読者限定。
過去や新作のZINEもここで出していく予定です。

次回の火曜は、僕が最初につくったZINE(CD-ROM)『Paper Drive』のデータを一部公開します。



では寒い日が続きますので、お体に気をつけて。

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